「経済的に安定した独立国家を作る」というのが、自分の中・長期的な目標なのですが、いったい何をやろうとしているのか、どうやって実現しようとしているのか良く分からん、という人も多いと思うので、その辺の事を少しずつ説明していきたいと思います。
「その1:原点」、「その2:気付き」に続く3回目は「自給自足との出会い」です。
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2012年の初夏の事です。当時僕は、噺家さんが一般家庭の家を突然訪問するというコーナーを担当していて、そのロケハンで千葉にある大山千枚田を訪れていました。東京からわずか2時間の場所にある美しい棚田です。綺麗な田園風景を自分のコーナーでチラッと紹介したいと思ったのです。
結局放送には至らなかったのですが、その際に出会ったのがIさんでした。
Iさんは、元々東京の西部に住んでいましたが、仕事を早期退職して奥さんと共に大山千枚田に移住してきていました。家は新築で、仲間が協力して建ててくれたそうです。立派な木造の家でした。
Iさんは近くの田畑を耕し、仲間から薪をもらい、自給自足志向の生活をしていました。驚いたのは塩まで自分で作っていた事です。軽トラで近くの海水を汲んできて、羽釜で煮詰めて塩にしていました。これをやると2日ぐらいかかるので、料理が出来なくて困るんだよ、とIさんは笑っていました。
田畑を耕す傍ら、Iさんは毎週日曜日になると、観光客にコーヒーを出すカフェをオープンしていました。カフェといっても自宅のリビングなので住み開きのようなやり方です。そのカフェは、コーヒー代が無料でした。「何で無料なんですか?」と聞いたら、「話し相手が欲しいから」という返答。「畑に出ている間は誰とも話をする機会がない。刺激が欲しいから」という事でした。
別れ際にIさんは「1泊ぐらいだったらタダで泊めてあげるから、今度は子供と一緒に泊まりにおいで」と誘って下さったのですが、もったいない事に、この時に1回だけお会いして、それっきり遊びに行っていません。
これが僕と自給自足生活との出会いです。この時は「ふ〜ん、そんな生活もあるのか」と思いましたが、具体的にやってみようとは全く考えていませんでした。ただ、当時のIさんとの会話やリビングや田畑の風景が今でも思い出せるぐらい、その日の出来事が僕の中で印象に残っています。きっとそこで何かを感じ取ったのでしょう。
またこの時の体験から「どうせなら平地ではなく山や海がある場所に国を作りたい」と考えるようになります。その当時はバラバラに感じていた出来事が、少しずつ、少しずつ建国へと収束していきます。
続く。