喜びと悲しみを共有する場としてのシェアハウス

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「人生、晴れの日も雨も日も曇りの日もある」という言葉は、誰しも聞いた事があると思う。

また「人生には、上り坂、下り坂、マサカと3つの坂がある」とも。

調子が良い時は人が寄ってきて、調子が悪い時は人が波のように引いていく。

僕も10数年前に、そういう事を体験した事がある。

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とある映像関係の事業を立ち上げて、かなり注目されていた時期だった。会社を拡大する為に資金が必要だったので、僕は複数のベンチャーキャピタルさんと交渉をしていた。1社と交渉すると、その担当者がまた別の会社の人を紹介してくれる、という感じで最終的には25社の人と、資金調達について色々とやりとりをしていた。

25社がどれくらいの数かというと、担当になってくれた人と月1回ミーティングをするとして、毎日どこかの社とミーティングしないと追いつかない数なのだ。つまり、毎日のようにどこかのベンチャーキャピタルの人と僕は会っていた。今みたいにベンチャーキャピタルやエンジェルが沢山ない時代で、当時としてはなかなかの数だったと思う。

担当者は「資金調達はいつにしますか?」「早く出資させて下さい」などと口々に言う。まぁそれが仕事なのだけど。

求人誌に社員の募集を出した時も、40人ぐらいの応募があって、てんやわんやだった。みんな「この会社の事業が面白いと思って応募しました」「とても先進的な取り組みで感激しました」などと、面接で熱く語っていた。

この会社は、確かに面白いチャレンジをしていたのだけれど、ビックリするぐらい売上が上がらなかった。

最終的に資金調達も事業もうまくいかず、4000万円ぐらい借金が残り、その会社は閉鎖した。周囲の人にも色々と迷惑をかけた。と同時に僕の周りからス〜っと人が居なくなった。

ありがたい事に、それでも消えないでつきあってくれる人も居たのだけれど、やっぱりそれはごく一部の人だけだった。

僕はこの時、調子の良い時や嬉しい時は一緒に喜んでくれる人がいるけれど、調子の悪い時やツライ時に、一緒に悲しんだり励ましてくれる人というのはあまり居ないという事を学んだ。

そして喜びだけでなく、悲しみも共有できる場があったらいいのにな、と思ったのだ。

みんなで川崎のシェアハウスMAZARIBAのリビングにアートを作る
みんなで川崎のシェアハウスMAZARIBAのリビングにアートを作る

この時の経験が、僕がシェアハウスを運営する理由の1つになっている。

住んでみないとなかなか分からないのだけど、他人と一緒に暮らしているからこそ共有できる喜びや悲しみがあるのだ(ここはもうちょっとうまく言語化したい)。

喜びも悲しみも共有できる場として、シェアハウスは代えがたい存在だと僕は思っている。そういう場所を、僕はこれからもずっと提供していきたいと思っている。

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