革命戦士というとちょっと大げさなんだけど、嫁はイギリスの詩人で思想家でデザイナーのウィリアム・モリスが提唱する「アーツ・アンド・クラフツ運動」の実行者だったのです。僕はつい最近その事を知りました。
分かりやすくいうと、身の回りからマスプロダクション製品を出来るだけ排除して、手作り的な価値の高いもので溢れかえるようにしようという運動で、嫁は実に様々なものを手作りしています。
家具、子供服、ちょっとした遊び道具、そして料理。僕が買ってきた花も活けてくれますし、自分で花を育てたりもします(時々枯らすけど)。僕には出来ない、絵を描いたりピアノを弾くという行為をしたりもします。
ただ、嫁の作り出すそれらの品々や行為は全く統一性が無いため、僕は長い間それが革命的運動の一部である事に気が付かなかったのです。なんかゴチャゴチャ手作りするのが好きだなぁ、ぐらいに思っていて。
なんとなく好きでやっているのと、思想があってやっているのでは意味合いが全く違います。だったら、もっと早く言ってくれよ(笑)
長年一緒に住んでいた人間の新たな一面を発見する、というのは実に新鮮な体験です。人間というものの奥深さを実感します。
写真は、そんな嫁が編んでくれたセーター。ほつれた穴を娘が日々広げてくれます。もしかしたら娘も僕の知らないうちに何らかの革命思想に触れているのかもしれません。