10年ぶりにカラオケに行ったら、世界が少し小さくなった話

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この間、(たぶん)10年ぶりぐらいでカラオケに行って、歌っていいな〜と思ったので、その時の話を。

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僕は元々あまりカラオケに行かない人で、音痴で歌が下手なのがその理由です。「あまり」を通り越して一切カラオケに行かなくなったのは、自分の会社を作った後、今からだいたい10年ちょっと前の事です。

人手もお金もない会社設立当初の僕にとって、時間は貴重な資源。僕は徒歩10分の会社までの通勤時間を5分に縮めるために自転車を買ったりしていました。そんな中、カラオケに行くと短くても2〜3時間、長くなると朝まで時間を使ってしまうので、それがもったいなかったのです。

それだけの時間があれば誰かと相当深い話ができるし、朝までカラオケに行ったら人と仲が深まるとはあまり思えなかったし、実際、深まりませんでした。

自分の会社を作る前は、先輩だったり上司だったりがいるので、つまらないと思いながらも仕事関係者とつきあいでカラオケに行くこともあったのですが、自分が社長になってしまうとそういう事も無くなりました。

そんな気持ちが変化したのは、つい先日のこと。みんなでの食事会の後、終電まで1時間あったので、その間だけカラオケに行く事になったのです。その場の雰囲気も良かったし、1時間なら、まぁいいかなと。

店に入ってみんなでマイクを回すうち、いつしか中国語の曲が流れてきました。歌っているのは、中国人なんだけど黙っていると日本人と区別つかないぐらい日本での生活が長い人で、その日もずっと日本語で話していたので、中国語で歌うのは少し意外な感じがしました。

曲はスローなバラードで、歌詞の細かい意味は分からないけど、画面に映る漢字と時折交じる英語からラブソングというのは伝わってきます。どこか切なく温かく、シンプルに愛をうたいあげるような曲でした。

お酒も入っているので少しぼーっとしながら、僕はずっとその曲を聞き入っていました。普通の流行歌なので時間にしたら3分とか5分ぐらい。でもその時間がとても長く感じました。言葉が分からない分だけ、一生懸命に何かを感じ取ろうとしていたからかもしれません。

歌には言葉が分からなくても気持ちを伝える力があります。この日のカラオケで流れたのは日本語と英語と中国語の歌だったけど、フランス語だったり、韓国語だったり、自分の世界が広がる度に少しずつ異国の言葉が耳に入ってくる機会が増えていきます。

言葉を覚えるのは本当に難しいから、歌が流れる3分間だけでも、国境や言葉の壁を越えて歌が心の中に響き渡るといいなと思いました。

音楽は世界の共通語。日本人とカラオケに行きたいとそんなに思わないのだけれど、言葉があまり通じない国の人達と、もっと言えば、言葉があまり通じない国の人達だからこそ、一緒にカラオケに行って歌うのはアリなんじゃないかなと思ったのです。

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そんな僕のオススメの歌は、前にも紹介した事があるけど MATT DANCEという有名な動画で使われているPraan(いのち)という歌です。元はインドの詩人タゴールの散文詩で、ベンガル語で歌われています。まったく言葉が分からない歌の中で一番好きな歌です。良かったら歌詞も読んでみて下さい。

●曲 http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=zlfKdbWwruY
●歌詞 http://alcom.alc.co.jp/users/233356/diary/show/269844

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