シェアハウスと消費者と共犯者

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池袋のシェアハウス(Meet The World池袋)の風呂の給湯器が壊れた。20年近く前の製品だったようで、端的に言って寿命でした。今までありがとう。

いままでお疲れさまでした
いままでお疲れさまでした

僕は建物自体は所有せず、転貸という方法で運営しているので、建物の持ち主、いわゆる大家さんに電話し、すぐ新しいものと交換する工事をしましょうという話になりました。ちなみに池袋と新小岩は同じ大家さんなのですが、いつも親切に対応していただけるので、とても助かっています。

問題はここからで、給湯器の機械を取り寄せ、工事をする人の手配をし、交換が完了するまで2週間程度。その間、メンバー(住人)全員がお風呂に入れなくなったのです。まさか温泉掘ったりする訳にもいかないので、お詫びとして家賃を減額し、その間はみんな銭湯を使ってもらう事にしました。

お気に入りの銭湯の1つ、ニュー椿
お気に入りの銭湯の1つ、ニュー椿

近所には4〜5軒の銭湯があり、稲荷湯(テルマエ・ロマエのロケでも使われたいい雰囲気の銭湯)は25時15分まで、他の銭湯も24時までやっているところがあるので大抵の人はそれで困らないのですが、きのう水曜日は稲荷湯が休みで、男女1名ずつのメンバー(住人)さんが、風呂に入りそこねてしまいました。

男性の方は午前を半休にして自転車で20分ぐらいかけてスーパー銭湯にいきました。そして女性のメンバーさんからは、こんな提案が。

 私、インドで鍛えたテクニックがあるから、バケツとタライがあれば、お風呂に入れますよ!

幸いにして、キッチンの給湯器は使えるので、そこからお湯を運んで体を洗うというのです。女性からとは思えない何ともありがたい提案! 早速近所のスーパーに行って買ってきてみました。

金属製のタライがなかったので、プラスチックの衣装ケースを買ってみた。耐熱性に少し不安が
金属製のタライがなかったので、プラスチックの衣装ケースを買ってみた。耐熱性に少し不安が

みんな旅好きで「砂漠の国に行くと2週間ぐらい風呂に入れないよね〜」とか話すような人が多いのですが、普通なら文句の1つも言ってくるところ。

なんでこんな事をいってくれたかというと、それは僕とメンバーさんが「共犯者」のような関係になっているからだと思います(一方的に)。丁寧な言葉を使うならば「共同体のメンバー」。

池袋は家が少々古く、立地が良い割には家賃が安いという特徴があります(個室で3万5千円〜)。まぁ古い家だから給湯器が壊れるのもしょうがいないよね〜、という感じ。

これは、僕も一緒の家に(時々)住み、ある種の共犯関係にあるからだと思うのです。つまり、運営に理解がある。

これがサービスの提供者消費者という関係だと、こうは行かない確率が高いです。銭湯料金を負担するのはもちろんとして、移動の時間や雨の日に濡れる不便など、色々な要求が発生するかもしれないのです。

でもさぁ、給湯器がいつ壊れるかなんて、誰にも分からないじゃん。10年ぐらいが想定寿命なんで、10年経ったら壊れてなくても交換すれば、こういうトラブルは減るけど、それだって故障する時もあるし、費用だって結構発生します。その費用は、誰が負担するの?

こういう提供者と消費者に分かれてしまうと不便な事って沢山あって、例えば人参や大根だって泥付きで売った方が日持ちするし、農家さんの手間も大幅に省ける訳です。あるいは大きさが不揃いだったりすると「規格外」で売れなくなるけど、味は同じですよ?

車だって、ちょっとぐらいの傷(例えば1cmぐらい)があっても、何の問題もない訳です。でも納品すると「傷がついている」とトラブルになる。あるいは牛丼屋の店員に対して「サービスが悪い」「愛想が悪い」なんてクレームをつけたりする。

僕には、そういう細かなムダの積み重ねが「住みにくい国、ニッポン」を作り出しているように思います。

みなさん、ムダを作り出す消費者になるのは、もうやめませんか? というかそれ、ムダの生産者ですから。

とは言うものの、一刻も早く直って欲しい
とは言うものの、一刻も早く直って欲しい
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