この先、ナル先生は生身の肉体を捨てると思う

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ナル先生という人がいる。元々GOROmanという人で、VR関係の面白い人だった。

最近はLLM無職代行、という職業を発明。Xの有料会員のサブスク収入だけで食べていけてしまうという稀有な人になっている(知らない人は、ちょうど良い記事があるので一読を勧める)。

なぜそのような事が可能なのか?

現在のAI関連の技術進歩は恐ろしく速く、1年前、1ヶ月前どころか1週間前の知識さえ陳腐化してしまう。次から次への新しい「ビッグジャンプ」が発生し「とても全部試せない」というのは、多くの技術者の共通認識といっても差し支えないと思う。

ナル先生は、そういう人に代わって様々な新規・新奇を試し、Xのサブスクユーザーに向かって投稿しまくる。すると、ユーザーは自分でゼロから試す手間もお金も省ける、という構造になっているのだ。現にナル先生が支払っているAI関連サービスの課金額は月20万円。普通の人が自腹で払える額ではないので、サブスクに月数百円払っても元が取れるし、何より見ているだけで面白い。

ではナル先生は、なぜそのような行動に出たのか?

ナル先生を突き動かしているのは「面白い」「未来が見たい」なのだと思う。

この2つは結構近くて、「過去にないもの」は面白いし、それを使うと「未来が見える」のである。

変化の速い時代は、常に新しいものをキャッチアップしないと生き残れないし、そうなると過去は「どうでも良い」ので、サンクコストとして捨てる。とらわれない。

そこまでしなくても生きてはいけるけど、「つまらない」

僕はナル先生と同世代なのだけど、この世代の共通経験で重要なのは、世の中に「パーソナルコンピューター」というものが誕生した時の、「爆発的面白さ」だと思う。

あれを体験してしまうと、少々の事では脳汁が出なくなってしまう。

お年寄りにとっては「人類が初めて月に降り立った日」「初めて家にTVが来た日」。中年にとっては「初めてインターネットに触れた日」、30代ぐらいの人にとっては「初めてスマホを手にした日」がそれに当たると思う。とにかく考えられる限りの人生最大のインパクトと言っても良い。

その「脳汁」が出るような10年〜20年の一度の出来事が、現在の生成AIの爆発的進歩である。

これに触れずに生きる事など、何の意味があるのか?

そう考えた場合、無職というのは最良の選択肢なのだと思う。

何しろ可処分時間は無限大、稟議も決済も必要ない。自分の思いつくまま、命の限り、何かに情熱を燃やす事ができる。

ナル先生の将来を勝手に考える

この先、ナル先生は自分の人格をAIにアップロードして、生身の肉体を捨てると思う。LLM無職代行をAIに任せるのだ。

何しろ肉体というのは不便で、時空を超えられない。日本からアメリカに行くのに10数時間かかる。とてもそんなに待ってはいられない。24時間稼働し続ける事もできない。

最良の手段は肉体を捨て、自分はAIの「ラストワンマイル」だけを担うという方法だと思う。

そうなった時、ナル先生は個人を離れ、人類全体の共通財産になるのだと思う。

著作権フリーならぬ、LLM無職代行フリーの誕生だ。

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