さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ 永田カビ著 イースト・プレス刊
twitterか何かでチラッとみて、存在は知っていたけど、なかなか手を出せなかった1冊。
28歳、性的経験なし。生きづらい人生の転機。高校卒業から10年間、息苦しさを感じて生きてきた日々。そんな自分を解き放つために選んだ手段が、「レズビアン風俗」で抱きしめられることだった──
鬱とか摂食障害とかリストカットとかで悩んでいるアダルトチルドレンなメンヘラ女性が、女性向け風俗に行くべく自分と格闘して、ついにレズ風俗でお姉さんに優しくしてもらって立ち直る話、かな?
エロの話というよりは、頑張って勇気を出して風俗に行くまでがこの本のテーマで、優しくきれいに描かれているので、よっぽろエロはダメっていう人以外は読めると思います。
前半は、この本の作者さんの堕ちていく過程が延々と描かれているのですが、その描写が細かくて良いのです。セリフは多いんだけど、漫画なのでやっぱり読みやすい。そして描写が変に飾ったり卑下したりしていなくて素直でスッっと入ってきます。
読んでいて良い話だなぁと思ったのが、バイトの面接に落ちまくるあたり。パン屋のバイトに落ちるんだけど、面接してくれた人に逆に励まされてたりとか。作者さんは割と良い出会いがポツポツあるので、何か恵まれているのかなと思ったり。
そしてついに勇気を出していったレズ風俗のお姉さんが、とても優しくて素敵なのです。100%の肯定感で作者を認めてくれる。それはお客さんだからなのだけど、それでも救われる人がいるよな〜と。ああ、なんて天使。下らない男に抱かれなくて本当に良かったと思うのです。ま、ここは多少誇張があるのかもしれないですが。
プレイ終了後の後日譚もなかなか良かったりして、その辺りから作者さんは生きるチカラを取り戻していくのです。こういうのを見ていると、セックスって生きるために必要なものでとても大事でみんなもっと向き合った方がいいよなぁと思うわけです。「飯ウマ〜」とかネットに書くのと同じぐらい「今日は良いセックスが出来た〜!」とか書いてもいい気がするんですが、どうなんでしょうか? ダメなんでしょうか?
読んでからブログに書くまでちょっと時間経っちゃったんで、うまくまとまらないけど、鬱になったり引きこもっている人、またはメンヘラの人の気持を分かってみたい人にオススメの1冊です。