洗濯物は夜に干すタイプだ。
なぜって? そりゃ生活時間の都合だ。
夜に洗濯して、朝までに服が乾く。シャツはともかく、靴下や下着なんかは同じものをはけるのが一番都合がいい。畳んだりしまったりする手間が省ける。
そして、僕は乾燥機を使うのが嫌いだ。あれは服が傷むし、肌触りが好きじゃない。
子供のころに観た「母を訪ねて三千里」というアニメでは、旅をしている親子が夜に洗濯しているシーンが出てきた。洗濯機や乾燥機の無い時代、手でしぼって脱水するだけで、翌朝までにちゃんと洗濯物は乾いたのだろうか?
そんな事を考えながらふと夜空を見上げたら、隣の家との隙間から、かすかに星の瞬きが見えた。今の家はベランダの上に屋根が無いのが良い。雨が降ると洗濯物が濡れてしまうが、僅かな隙間とはいえ頭の上に何もないのはスカッとする。
郊外で見る満天の星空も、軒先の隙間から微かに見える瞬きも、本当は同じ明るさのはずだ。
どっちにしても、見えないよりは見えた方が気分がいい。
今日も平和な一日に感謝しながら、明日の準備をして布団に入ろう。今夜は洗濯物がちゃんと乾きそうだ。